【09】2019真冬のギリシャ〜01/03オリンピア遺跡を見物・2020東京五輪へ思いを馳せる

12時50分ごろ、オリンピアに到着しました。ここ↓

近くの街、ピルゴスから20kmほどですが、路線バスだと途中色々なところに停車しながらだったので所要時間40〜50分ほど。

オリンピアの街角。

オリンピアは、遺跡の他にはお土産物屋さんや飲食店があるくらいの小さな町だった。13時ころにはお土産物屋さんも数軒のみだが開いていたのに、遺跡見学後の15時頃は全部閉まっていたので買い物ができなかった。ベタなオリンピックグッズとか欲しかったのになー、残念。

こぢんまりした町なので、バスをおりた場所から遺跡までは、なんとなくでたどり着けました。遺跡くらいしか行くところもないのであまり迷うこともなさそう。

遺跡へ続く道路。
チケット売り場に猫。

オリンピア遺跡入場料(博物館込み)、6ユーロ(約753円)。※4〜10月は12ユーロ。

入場口近辺からの眺め。
遺跡。
遺跡。
また遺跡。
フィリペイオン。
パレストラ。

↑室内競技場で、レスリングやボクシングが行われていたらしい。

フェイディアスの仕事場。

↑フェイディアスは紀元前490年頃〜430年頃の彫刻家で、アテネのパルテノン神殿を飾るレリーフなども手がけた人物。この場所は、古代オリンピックが禁止された後の西暦435〜451年頃にキリスト教の教会になったそうで、建物はその時の名残。なので他の遺跡よりも保存状態がいい。

ゼウス神殿。

↑長さ約64m・幅約27mの神殿が建てられていた。6世紀に起きた地震で崩れてしまい、そのままになっている。神殿に祀られていたのはフェイディアス作の巨大なゼウス像で、高さ13メートルほどの像は金と象牙で作られていたらしい。古代の人に絶賛されまくっていた大傑作らしいのだが、現在では復元などもないので、どれくらい立派だったのかは想像するしかない。

反響廊。

↑反響廊は声がよく響く建物で、勝者を発表したり開会式を行ったりしていた。

聖なるトンネルを写真に撮るおっさん。

↑スタジアムへ続く。現在はちょっとしたアーチが残っているだけだが、当時は長いトンネル状だった。ここは選手と審判しか通れない聖なるトンネルとのこと。

トンネルを抜けるとスタジアム。

↑手前に石でできたラインがあった。スタートラインかと思いきや、ゴールラインとの情報もあり。どっちかな?

ツアー客がかけっこをしていてかなり楽しそうだった。

古代オリンピックでは1スタディオン(191m)のコースを走る競走が最初に行われた。この1スタディオンという距離は、ゼウスの足裏600歩分に相当。191mで600歩ということは、ゼウスの足は31.8cmくらいかな?

その後、開催回数を重ねるごとに、2スタディオンを走る中距離走やスタジアムを10往復する長距離走なども加わっていったそう。

ヘラ神殿。
ヘラ神殿と中国人観光客。腰の安定感が◎

↑ゼウスの妻ヘラを祀る神殿で、紀元前600年頃オリンピアの中でも最初に造られた。現存するギリシャ最古の神殿。現在のオリンピックの聖火はこの神殿の前で採火される。巫女に扮した女優さんが凸面鏡で太陽光を集め、火を起こすらしい。

2020年東京オリンピックの聖火は、来年の3月12日にここで採火され、ギリシャ国内をまわったあと3月20日に日本にやってくる。こんな遠くからはるばる運ばれてくるなんて、わくわくしますね。

そもそも聖火は近代オリンピックの最初からあったわけではなく、1928年アムステルダムオリンピックから取り入れられたもの。その後1936年ベルリンオリンピックから聖火リレーが導入。ギリシャで採火した火をドイツまで運ぶというのは、ゲルマン民族こそがヨーロッパ文明の源流であるギリシャの後継者だとするヒトラーの思想によるものだったとか。

1968年メキシコシティオリンピックではコロンブスのアメリカ大陸ルートを船で辿り、1976年モントリオールオリンピックでは電子パルスに変換した聖火を宇宙から点火、2000年シドニーオリンピックではグレートバリアリーフをダイバーが運び、2004年アテネオリンピックでは、過去の開催地を中心に世界5大陸全てを巡回、2008年北京オリンピックでは世界最高峰のエベレストを超えたりするなど派手に行っていた。

しかしその北京オリンピックでの聖火リレーの際にトラブル続出。世界135都市を経由するも中国のチベット弾圧に対する抗議デモなどが各国で発生したり、3回も聖火が消えたりなんだりで、翌2009年に国際オリンピック委員会は、世界規模での聖火リレーを廃止することに決めてしまう。

なので、2020年の聖火リレーはギリシャと日本の二カ国だけなんですね。ちょっと寂しい。

来年の東京五輪に思いをはせつつ、オリンピア遺跡でした。次はこのまますぐ近くにある「オリンピア考古学博物館」へ向かいます。

続く。